憲法いまみらい

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みんなで考えよう!
憲法のいま・みらい。

あなたは、いまの日本の憲法が好きですか?それとも…?では、憲法はいまのまま変わらないほうがいいと思いますか?変えたほうがいいと思いますか?どちらとも言えないですか?このサイトは憲法についてみんなで考えてみよう、というサイトです。
私たち「憲法・いま・みらい」編集チームは、いま性急にすすめられようとしている憲法改正のあり方には、強い疑問を持っています。もし、ほんとうによいものをつくると言うのであれば、もっともっとみんなの議論を高め、時間をかけて考えていくことが必要だと考えます。
ただ、こうあるべきだとか、これが正しいとか、それは間違っているとか、ひとつの考え方や意見を押しつけるようなサイトではありません。むしろそういう考え方や意見もあるんだと知ったり、憲法ってそういうものだったんだとあらためて理解したり…。憲法をあらためて考えてみるきっかけや入口になればいいなと思います。
いま、憲法をとりまく話題が、テレビや新聞、インターネットなどなど、さまざまなメディアで盛んに採り上げられています。自分の考えやスタンスをしっかり持っている人も、どちらとも言えないという人も、よく分らないという人も…。
誰でも気軽に立ち寄れる憲法のサイトになれば嬉しく思います。

第1回憲法 私はこう考える

法学館憲法研究所 所長/伊藤塾 塾長/弁護士

伊藤真さん

そもそも憲法って
なんだろう?

憲法は、国民が国を縛るもの

憲法は“法”ではありますが、“法律”とはまったく違う役割があります。憲法とは何か?憲法とは通常の法律とは違い、私たち国民が守るべきものではなく、国民が国に対して、具体的には政治家や官僚、裁判官に対して守らせる法だということです。つまり私たち国民には憲法を守る義務はまったくない。ただ国に対して守らせる責任があるということです。そのうえで憲法は何を大切にしているかというと、一人ひとりを個人として尊重するという考え方です。憲法の基本原理、三原則は人権尊重・国民主権・平和主義と私たちは学校で習ってきたわけですが、それ以上にもっと大切にされているのは個人の尊重という考え方なのです。

人は誰も皆同じように大切にされるべき価値がある、と同時に、一人ひとり違ってあたり前であり、むしろ人と違うことは素晴らしい。そんな考え方が憲法の根本の価値なのです。それを守っていくために国民が国や政治家を縛る法だということでしょう。

日本の憲法の特徴は?

日本の叡智“和をもって尊しとなす”

いまの私たちが憲法といっているものは、近代国家の憲法です。1776年のアメリカの独立宣言、1789年のフランスの人権宣言など、近代市民革命後の近代国家の憲法であり、アメリカもイギリスもドイツもフランスも同じような考え方が基本となっています。それは世界共通の価値であり人類の英知の継承といえます。そのうえで徹底した恒久平和主義を取り込んでいるところが日本の憲法の特徴です。世界の先進国のなかで武器をつくり輸出をしないでこれだけの経済大国となった国は日本だけ。私はそれこそが日本の叡智だと思っています。
いまの日本の憲法は、アメリカからの押しつけだとか、そもそも西洋の近代キリスト教社会の価値観に過ぎないのではないか、といった議論もあります。では、日本の歴史をひもといて、聖徳太子によってつくられた「十七条憲法」をみてみましょう。

“和をもって尊しとなす”という言葉は有名ですが、そこには、諍いは避けること、多様性を認めること、多くの民の声を聞いて政を行うことなどが書かれていて、まさにいまの憲法と同じような価値観や考え方がはっきりと表れています。日本国憲法は、もともと日本人が持っていたメンタリティ、文化や伝統に合致していた。だからこそ70年という長い間、変わらずにきたといえるのではないでしょうか。

憲法と自衛隊について、
どうお考えですか?

現実とギャップがあるからこそ理想を目指す

憲法は国のあるべき姿を示す、国の理想のカタチを示すものだという面があるのは確かです。これは安倍首相もはっきりといっています。その点では安倍首相の考えは間違っていないと思います。では、どういう国を目指すのかということを考えたとき、私は九条の理想をあくまでも目指すべきだと考えますが、そうではなく軍隊を持った強い国を目指すべきだという人たちもいます。いずれにしても現実と食い違っているからこそ緊張感が生まれたり、理想を目指していこうとしたりすわけです。このとき、理想と現実のギャップを埋めてスッキリしたいという理由だけで憲法を現実に合わせてしまうという考えは、憲法や法が何故あるのかを考えたとき、あまりにも無頓着だと思います。自衛隊を憲法に明記してもなにも変わらないというのは、少なくとも嘘だと思います。

現行の憲法では国防や安全保障のために人権は制約を受けませんが、自衛隊の明記により新たな人権制約の根拠が生まれるでしょう。変わるということを前提に、では変えるべきなのか、変えるべきではないのかというフェアな議論をしっかりしていけばいい。そのうえでの国民投票であるべきだと考えます。

憲法のみらいについて、
どうお考えですか?

憲法はふだん意識しなくてすむ方が本当はいい

いま憲法改正の論議が盛んになされているのはいいことです。ただ、やはりその必要性の議論がまず先にあるべきだと思います。いまの制度や法律改正ではだめなのか?そのうえでどうしても憲法を変えなければどうにもならないというときに、はじめて憲法改正の議論を始めるべきでしょう。それと憲法を変えれば何もかもうまくいくといった幻想は抱くべきではない。いいかえれば、憲法は魔法の杖ではありません。憲法改正によってこの国がガラッと変わってしまうほど憲法は凄いチカラを持っているわけではまったくないのです。憲法はどういう言葉、文言だろうがその国の国民のレベル以上には成りえないのです。結局、憲法を実行化して効果のあるものにしていくのは国民の支えがあってこそ。私たち国民が憲法のチカラをもっともっとつけていくということをしないといけないと思います。

憲法は、水や空気といっしょでふだんは意識しないですむのが本当はいいのですね。憲法は国民が国を縛る法ですから、縛られている国のほうがうまく国をまわしていれば意識しなくてもいいわけです。政治家や国の方から憲法改正の動きが出てきたことが、私たちが憲法をあらためて考えるきっかけになればいいと思います。

伊藤真さんの活動をもっと知りたい方は、
法学館憲法研究所サイト(http://www.jicl.jp/index.html)をご覧ください。