憲法いまみらい

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みんなで考えよう!
憲法のいま・みらい。

あなたは、いまの日本の憲法が好きですか?それとも…?では、憲法はいまのまま変わらないほうがいいと思いますか?変えたほうがいいと思いますか?どちらとも言えないですか?このサイトは憲法についてみんなで考えてみよう、というサイトです。
私たち「憲法・いま・みらい」編集チームは、いま性急にすすめられようとしている憲法改正のあり方には、強い疑問を持っています。もし、ほんとうによいものをつくると言うのであれば、もっともっとみんなの議論を高め、時間をかけて考えていくことが必要だと考えます。
ただ、こうあるべきだとか、これが正しいとか、それは間違っているとか、ひとつの考え方や意見を押しつけるようなサイトではありません。むしろそういう考え方や意見もあるんだと知ったり、憲法ってそういうものだったんだとあらためて理解したり…。憲法をあらためて考えてみるきっかけや入口になればいいなと思います。
いま、憲法をとりまく話題が、テレビや新聞、インターネットなどなど、さまざまなメディアで盛んに採り上げられています。自分の考えやスタンスをしっかり持っている人も、どちらとも言えないという人も、よく分らないという人も…。
誰でも気軽に立ち寄れる憲法のサイトになれば嬉しく思います。

第4回憲法 私はこう考える

憲法について
子供の頃どう感じて
いましたか?

うじき 自分は1957年生まれで、物心ついてきた小学生のころは、安保闘争などがあって熱い時代でした。子どもながらに大学生の兄さん姉さんたちが声をあげていることに強い衝撃を受けました。そんなことにも影響されたのか、小学校の卒業文集には「今は自分の担任の先生を信じられるし、信頼もしているので不安はないけれど、これから将来出会った先生に対して信頼できなかったり、発言におかしいと思うことがあったら、自分も行動をとらなければいけないと思う」、なんていうことを書いているんです。
もちろん憲法は学校で習いましたし、自分の父親が戦争に行っていることもあって、憲法というか、戦争にかかわることについては、ちょっとほかの子より敏感だったのかもしれないですね。結構うるさくて面倒くさいガキだったんじゃないでしょうか(笑)。

内田 憲法を学校で習った時から、戦争を放棄する、軍隊を持たないというのはすごくいいことだと思っていました。先生が、日本は軍隊を持たないことになっているけど、現実には警察予備隊から始まっていまは自衛隊になっているのはちょっとおかしいというようなことを言っていたのを、覚えています。
自分の父親も戦争で大陸に駆り出されて終戦後シベリアに抑留され、3年後に帰国できたんですが、その間に母親(内田さんの祖母)が亡くなっていて、その時、父がものすごく慟哭していたと聞いています。そんな経験からか、日本はもう戦争もしないし、徴兵されることもないからおまえは好きなことをやれと、言っていたような気がします。
ですから憲法に関しては、とくに第九条が子どものころの印象としてとても強く残っています。この国はとても好きですが、もし将来、自分たちの子どもや孫の世代が戦争に行かされるようなことになったら、と心配になりますね。

その後、憲法や社会的な
問題への関心は
いかがでしたか?

うじき 当時はフラワームーブメントがあったり、ウッドストックがあったりして、こっちの方がカッコいいや、アメリカって凄いなぁと、音楽の道へ進んでいきました。自分の場合は親父が厳しかったので、音楽をやることはまったく認めてもらえませんでした。その反発がエネルギーになったのも事実ですが……。
80 年代にデビューしたころは、どうしたらもっと自分たちの音楽を聴いてもらえるのか、どうしたらもっとレコードが売れるのかということに必死で、政治がどうだこうだと、言ってられるところではありませんでしたね。ただ、選挙には欠かさず投票に行っていましたが。

内田 若いころには、わりと近いところに活動家のお兄さんがいたりもしましたが、自分は音楽に打ち込んでいたので、それどころじゃなかった。デビューしてすぐに忙しくなってあちこちにライヴで行き、それからいろんな経験や楽しいこともたくさんあって、ずっと音楽ばかりでした。
その後、95年の阪神淡路大震災をきっかけに沖縄に移住して、二十数年になりますが、今は米軍の基地が身近ですからいろいろな問題に無関心ではいられない。家は普天間飛行場の近くで、オスプレイの通り道でもあるし……。
基地があることは嫌だけれど、一方で、スーパーに買い物に行けば、肌の色、髪の色が違ういろんな人種が入り混じっていっしょに生活している。そんなところはいいなぁと思います。

いま現在の憲法に
対する思いやご意見を
お聞かせください。

うじき テレビの番組で以前、戦後日本の憲法の制定に関わったベアテ・シロタさんに会って、番組中はもちろん、それ以外でも直接お話を伺う機会に恵まれました。彼女は当時そのメンバーの最年少でしかも女性であるという立場から、とくに女性の権利や家族の平等などもっと画期的なことを盛り込みたかったとおっしゃっていました。
日本人のメンバーもそのことにはすごく共感し、短い時間の中で寝る時間も惜しんで議論が繰り広げられたということでした。その話を聞いた時、日本の憲法は決して押し付けられたものではないということに、確信を持ちました。
憲法制定の経緯についてはいろんな見方もあるでしょうが、結果として70年を超えて、直接戦禍にまみれることなく、経済成長を成し遂げ、豊かな素晴らしい国として歩んで来られたのは憲法のおかげなんです。これは紛れもない事実です。いろいろな意見があってもいいですが、憲法について考えよう、憲法を変えようというのであれば、過去の歴史の事実をいちばん大切にしなければ、なんの論拠も根拠もないと、僕は思います。

内田 沖縄に住んでいると米軍の兵士の方をよく見かけますが、たとえば浜辺をカップルで楽しそうに歩いていても、なにかあれば彼は戦地へ行くことになるんだろうなと思うと、とても嫌な気分になります。
先日亡くなられたドナルド・キーンさん(日本文学研究者)も言っておられたと思いますが、日本の憲法はその内容がとても美しいと思います。だからそのままであって欲しい。小学生の時に先生や親から聞かされていた戦争を放棄する、軍隊を持たないことを謳った日本の憲法は美しいという思いはいまも変わらないですね。

憲法九条と
自衛隊について、
思いをお話しください。

うじき 僕は軍隊も兵器もいっさい否定です。でも一方で、災害や事故のとき命がけでさまざまな活動をしてくれている自衛官の人たちには頭が下がります。先日、F35が墜落してパイロットが行方不明になりました。その最中に「桜を見る会」を楽しそうにやっているのを見て、本当に腹が立ちました。自衛隊の存在を明記するんだと言っても、そこには理念も理想もなにもないように思えてしまう。
日本の憲法には、二度と戦争をしない、世界の人たちと手を取りあって平和な未来をつくっていこうということが書かれています。それは、自分たちがそんな崇高な存在に近づくように頑張ろうということ。ステキな人間になろうと思える大きな指標なんだと思います。だからそれをいじって欲しくない、守っていきたいと思います。

内田 いまの改憲論議などを見ていると、とてもいい方向に進んでいくような気はしませんね。僕は力もないし、発言力もないけれど、憲法のことを考える場などで演奏をさせてもらえるのであればやっていきたいと思います。あまり知らないから何も言えないではなくて、それぞれが思ったことを、もっと言っていいんじゃないでしょうか。

 

うじきつよしさんの活動をもっと知りたい方は、
うじきつよし オフィシャルウェブサイト(http://www.flos.ne.jp/artist/tsuyoshi-ujiki/)をご覧ください。
内田勘太郎さんの活動をもっと知りたい方は、
内田勘太郎 オフィシャルウェブサイト(http://www.uchidakantaro.com/)をご覧ください。